忍者ブログ

マイナス金利

2017年11月14日
著者:徳勝礼子
発売元:東洋経済新報社

サブタイトルは「ハイパー・インフレよりも怖い日本経済の末路」ですな。

日本の政策金利がマイナスとなり、金融政策金利的には「ありえない」状況がつづいているわけですが、これがいったいどれだけアブノーマルな状態なのか?を教えてくれる本。

わかりにくいか?わかりやすいか?というと、なかなかなわかりにくいのだけれど、マイナス金利になったからといって、住宅ローンの金利が安くなるだけで、世の中いいことだらけ出ないというのがわかる。

どちらかというと、マイナス金利は駄目な面がおおい。

金利とは将来の成長率を表したものであるといえる。
いや、プラス金利だからといていって、経済成長率がマイナスにふれることもあるけれど、ワイマール時代のドイツや、第二次大戦後の日本のようにハイパーインフレになったから、どーだという相関関係もない。

つまり、マイナス金利とは「オタクの国は将来にわたって成長しませんよ。国が縮小してますや」ということを意味しているわけで。

そりゃあ、少子化だって解消しませんよね、と。
未来に希望がもてないのだから。

では、衰退していく国で、我々は何をすればのよいのか?

今日は900円の価値があったラーメンが、1年後には810円になってしまう。

そんな時代に我々は生きているということなのですな。



マイナス金利

タイトル:マイナス金利
著者:徳勝礼子
発売元:東洋経済新報社
オススメ度:☆☆☆☆(ためになりますなぁ)
PR

角栄のお庭番 朝賀昭

2017年08月23日

著者:中澤雄大
発売元:講談社

まだまだ角栄ブームが起きる前であった2013年に登場した本。
角栄の秘書であった朝賀昭の語り起こしですな。

田中角栄の秘書というと早坂暁と鳩山邦夫が有名ですが、その人達と違うのは、本当に田中角栄が好きで秘書になったという点。
何しろ高校生の時から田中角栄の秘書になりたかった人なのだから。

なので、かなり角栄目線の角栄論。

立花隆と文藝春秋がすげー悪者に仕立てられています。

まぁ、話八割なところもあるかもしれませんが、どっぷり田中事務所の中に入り、自分の名誉のためではなく、角栄の名誉のために書いた本なので(書かせた本なので)、けっこう信じられるんじゃないかしら?とおもうわ。

どちらにしろ、アメリカを敵に回しちゃだめってことだなw



角栄のお庭番 朝賀昭

タイトル:角栄のお庭番 朝賀昭
著者:中澤雄大
発売元:講談社
おすすめ度:☆☆☆(すな)

習近平の権力闘争

2017年03月29日

著者:中澤克二
発売元:日本経済新聞出版社

現代中国の最高権力者、習近平の実像に迫った一冊。

巻頭でいきなり
時の皇帝は自分の実績を後世に伝えるため自らに都合の良い歴史を記そうと試みる。
権力闘争に敗れた者は、悪事を捏造され、歴史から抹殺される。

と言う記述があるのですが、習近平、まさに皇帝ですよ。共産党王朝のエンペラー、もしかしたらラストエンペラーになるんじゃないかしら?と思わせるほどに。

どこの国においても、外交というのは内政の延長線上に有るのだけれど、中国という国においては、外交というのも自らの王朝を、つまり共産党政権の正当性を保つためのものでって、それ以外のものではないということがよく分かる。

日本やEU諸国の政治家、そして、あのドナルド・トランプだって、まずは自国のことを考えて、それを優先するわけですが、習近平の場合は、自国じゃなくて、自分なんだよなぁ。

まぁ、習近平以外の政治家、ヘタしたら鄧小平以外は、自分を再優先していたのかもしれないけれど。

それほどまでに、権力闘争で大変なことになってしまっている中国政界の内幕が分かる本ですわ。

まぁ、選挙がないから、純粋な権力闘争以外に上にのし上がる方法がないので、しょうがないといえばしょうがないよなぁ、と。




習近平の権力闘争

タイトル:習近平の権力闘争
著者:中澤克二
発売元:日本経済新聞出版社
おすすめ度:☆☆☆(逆に中国が好きになる本ですよ)

プーチンの実像

2017年03月23日


著者:朝日新聞国際報道部:駒木明義、吉田美智子、梅原季哉
発売元:朝日新聞出版社

現役の政治家の中で、わたしが尊敬してやまない、ウラジミール・プーチンの素顔に迫った本。そりゃ、リベラルな政治家じゃないかもしれないし、気に食わない相手は殺してしまう元スパイの大統領かもしれないですが、一路はボロボロになったロシアを立て直し、そして繁栄に導いたのだから、とんでもなく素晴らしい政治家だと思うよ。

で、そんなプーチン大統領、昔はKGBのスパイで東ドイツにいたわけで。で、そのころは今と違って(いや、今もそうかもしれないけれど)、かなりリベラルな思想の持ち主だったということが、わかるのよね。

共産党の一党支配をなんとかしなければならない。

その想いがあったからこそ、エリツィンから引き継いだ大統領職を、務め上げることができたのだと。

共産党の一党支配をやめ、社会主義をやめ、外国資本を呼び込み、民主的な選挙を行い、資本主義となり、法の支配が正しく行われる国に生まれ変わらせた。

そう、ロシアをね。

でも、それをアメリカを始め西側諸国は認めてくれなかった。

いまだに、ロシアを敵対視する。

そりゃ、西側諸国をきらいになりますわな。

そんな「オレ結構頑張ったのに、お前たち認めてくれないんだな」という、プーチンの挫折感が、ここかしこに散りばめられているのにびっくりします。

そんな挫折感の最高潮が、224ページ、2012年のG8サミット終了後のコメントに現れておりますわ。
重要なのは、そこで様々な意見が語られることだ。何か一つの意見が支配してしまったり、その一つの意見に基づいて決定がなされてしまったりしてはいけない。それではかつてのドイツ社会民主党やソ連共産党中央委員会の決定と同じことになってしまう。重要なのは、それが民主的な場であることだ。全員がお互いの言うことに耳を傾け、屈辱や偏見なしに議論し、共通のアプローチを作り出すことだ。

もしかして、プーチンのほうが、西側の政治家よりも圧倒的に自由を愛しているのかもしれない。

そう思えてきましたな。



プーチンの実像 証言で暴く「皇帝」の素顔

タイトル:プーチンの実像
著者:朝日新聞国際報道部:駒木明義、吉田美智子、梅原季哉
発売元:朝日新聞出版社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(良い本ですなぁ)

国貧論

2017年03月14日

著者:水野和夫
発売元:太田出版

色んな意味ですごいなぁ。。。と思える一冊。

この人、元三菱UFJ証券チーフエコノミストにして、内閣府大臣官房審議官経済財政分析担当。内閣官房内閣審議官。まぁ、民間の証券会社のトップアナリストと、国の基本方針を決める分析官のトップを担っていたわけです。が、この本に書かれている内容は、「もう、日本だめ。資本主義だめ。日本死ね。資本主義死ね。」のオンパレード。よくこんな考え方で、民間証券会社のチーフアナリスト、担当できてたよな。「もう、日本だめ。資本主義だめ。日本死ね。資本主義死ね。」というアナリストレポートが出る三菱UFJ証券の口座は閉じたほうがいいってことだなw

とは言え、この著者の考えには賛同できるところが非常に多いのは、事実ですわ。時代の大きな変わり目であるということは、おもいっきり賛成すますわ。そして、今までどおりの、焼畑農業的経済モデルがうまくいかないということも、賛同できますわ。

で、資本主義が死ぬということに関しても、まぁ、この著者の定義であれば、資本主義は死んでいますわな、と納得できますわ。

ちなみに、著者にとって資本主義とは
資本主義とは資本の自己増殖と利潤の巨大化を目指すものとする立場である。投資して、回収する。その運動を単純に永遠に繰り返すものだと考える立場であった。

とな。

そうなると、マイナス金利と言う状況下では、自己増殖ができないので、そりゃ、無理よね、と。

とりあえず、新自由主義経済が嫌いで、世の中を斜めから眺める、哲学者的な観点で経済を語ることが大好きだということが、そして、過去の歴史に当てはめて考えることも得意だということはわかりました。

が、そういう人は、どこかの大学の研究室で、助教として、「経済死ね!日本死ね!安倍死ね!」と次節を唱えているのが良いと想いますわ。ほら、京大の原子力研究所で反原発運動を行っているあの人のように。

少なくとも、政治の中枢で経済について関わったのであれば、マイナス成長、大停滞のなかで、国民はどうすれば幸せで、経済的に自由な生活が送ることができるのか?を考えなきゃ駄目だ等と思うのよね。

まぁ、悪いのはこの著者ではなく、そういう主義主張を持っている経済学者をブレーンに選んでしまった、民主党政権なのですけれどね。

でもですね、繰り返しますが、今が大きな時代の転換期であるという考えには、賛同しますわ。アメリカが覇権国家であることがなくなることは、賛成しますがね。

しかし、「グローバル化はヤメればいい。それどころか、地方分権を徹底化させて、日本国内であっても、地方間の移動が簡単にできないようにすれば良い」的な理論はどーかと思うよw

経済学者の経済の本というよりも、活動家の本に思えてしまいましたわw

ピケティを、やたら引き合いに出すけれど、ピケティの『21世紀の資本』には「じゃあ、どうすればよい」我書かれていたんだけれどね。



国貧論(atプラス叢書14)

タイトル:国貧論
著者:水野和夫
発売元:太田出版
おすすめ度:☆☆☆(とはいえ面白いよ)

田中角栄

2017年03月05日

著者:佐藤昭子
発売元:経済界

田中角栄の元秘書で、田中角栄の政治団体越山会を取り仕切っていた人物が著者。
田中角栄の隠し子とも言われておりますな。

そんな人物が著者なので、かなり田中角栄マンセーに内容は寄っております。
が、なんだかんだ言ったって、東京一極集中を解消して、地方にも光が向こうとしたことは確かなのよね。その目的のためであれば、どんなえげつないことでもやった。

このえげつないことにだけスポットライトを当てれば、極悪人の政治家になり、光があたった正しい目的のところにスポットが当たればいい政治家になる。

まぁ、今の時代、どちらにも振れている政治家がいないのが問題なのよね、と思ったりするわけですよ。フツーにいい人だけれど、政治家としてはどうなの?ということになる。官僚的な人が多いってことなのでしょうな。

個人的には「住宅は国民の幸せのバロメータ」って考えにはヒジョーに賛成するわな。良い住宅環境が構築できる社会が重要で、底に住む人間が重要。ワンルームの投資マンションや、サブリースの相続税大作目的のアパートが乱立するのは、駄目だと思うわ。、まぁ、こういうところに騙されてしまう人が悪いといえば悪いんですけれどね。しかし、ここを規制してしまうと、真面目に大家している人が被害を被るので、あれですがね。

オールド・パーが大好きで、庶民的な政治家として本書では描かれていますが、そんな政治家田中角栄の姿よりも、本書では田中角栄に纏わる政治家の話が最高ですわ。

吉田茂
岸信介
池田勇人
佐藤栄作
福田赳夫
大平正芳
中曽根康弘
鈴木善幸
宮沢喜一
中川一郎
渡辺美智雄
浜田幸一
矢野絢也

他にもいろんな政治家が登場するのですが、田中角栄の目を通して著者が記した、各政治家の姿が面白いですわ。



田中角榮

タイトル:田中角栄
著者:佐藤昭子
発売元:経済界
おすすめ度:☆☆☆(田中角栄ってやはりすごい)

デフレ最終戦争

2016年07月13日

著者:清水功哉
発売元:日本経済新聞社

日銀の黒田総裁誕生から、つまり2013年から2015年年末までの日銀の金融政策とそれにまつわる政治の話をまとめた一冊。

カッコいい言い方をすれば、失われた20年をなんとか復活させようと、セントラルバンカーな方々が奮闘している、その様子をまとめたもの。

ぎゃくの言い方をすれば、リフレ派の悪あがきがまとめられた本。たしかに、株価はあがったけれど、ドル換算するとそれほど株価、上がってないんだよな。

なんてことをかんがえたり、とはいえここで異次元緩和しなかったら、すこしとはいえ、株価が持ち直すことも、なかったのでないか、と思う今日この頃。



デフレ最終戦争 ―黒田日銀 異次元緩和の光と影


タイトル:デフレ最終戦争
著者:清水功哉
発売元:日本経済新聞社
おすすめ度:☆☆(で、この戦争、終わるのかしら)

21世紀の資本

2015年06月30日

著者:トマ・ピケティ
発売元:みすず書房

今一番売れている経済書。

ってか、こんな分厚い経済の専門書が10万部以上も売れているってびっくりだわ。

で、民主党や、社民党など「労働者が国の基本です。でも、その労働者は正社員だけですが、何か。そんな労働者を代表する労組の幹部が資本家な見に報酬をもらっていて何が悪いんですか?( ー`дー´)キリッ」という方々のバイブルになっているらしいですが

どっちも、「ほんとか?」と思ってしまう。

格差発生のメカニズムと、格差が引き起こす問題点には触れているが、格差は絶対悪で、格差を生み出してしまう仕組み自体が間違いなのだという、ポルポト的な主張はどこにも見当たらなかったと思ふ。

そもそも、なんで格差というか、経済的問題が発生してしまうのか?というそもそも論に対して、ピケティは歴史的アプローチを見せるのですけれど

それは人口の爆発的増加によるもので、近代(中世?)ヨーロッパではそれが問題にあっていたということが書かれているのですよ。

それは5ページ

フランスの人口は更に18世紀を通じて、ルイ14世時代の終わりからルイ16世の処刑までずっと安定して増加し、1780年には3000万人近くになった。1789年の爆発に先立つ数十年で農業賃金が停滞し、地代が上昇したのは、どう考えてもこの空前の急激な人口増のおかげだ。

に記載されているわけですなわ。

これが、この本の柱になる考え方ですわな。

財政政策も、金融政策もへったくれもなかった時代にあって、人口の増加=需要の増加が神の見えざる手であって、人口が増えれば増えれほど、商品の希少性が上がり、インフレ的状況になるってわけなんですわな、と。

で、この辺の話や疑問に答えたのがリカードや、マルクスであった、と。

で、この辺の話を含めて資本収益率が、経済の成長率を大幅に上回ると云々かんぬんという話、この本の柱ですな、底に行くわけですよ。

で、

r>g

という不等式が出てくるのですな。

しかし、29ページに

私の結論は、マルクスの無限蓄積の原理と永続的格差拡大の含意ほど悲惨ではない(というのもマルクスの理論は暗黙のうちに、長期的な生産性増大がゼロだという厳密な想定に依存しているからだ)。私が提案するモデルでは、格差拡大は永続的ではないし、富の分配も将来の方向性としてあり得るいくつかの可能性のひとつでしかない。だが考えられる可能性はあまり心やすまるものではない。

で、

資本市場が完全になればなるほど、rがgを上回る可能性も高まる。

と、話を続けるわけだ。

で、累進課税とか重要だけれど、これは国際協調が必要なんだよねぇ・・・と話を続ける。

これ、30ページくらいまでの話なんだけれど、菅直人とか、ここまでも読んでいないんじゃないのかしら?なんて思ってしまうわw

あと

r>g

という式以外に、これも重要だと思ふ。56ページ。

資本主義の第一基本法則 α=r✕g

これで資本主義の第一基本法則を提示できる。これは資本ストックを、資本からの所得フローと結びつけるものだ。資本/所得比率βは、国民所得の中で資本からの所得の占める割合(αで表す)と単純な関係を持っており、以下の式で表される。

α=r✕β

ここでrは資本収益率だ。

例えばβ=600%でt=5%なら、α=r✕β=30%となる。
言い換えると、国富が国民所得の6年分で、資本収益率が5%なら、国民所得における資本のシェアは30%ということだ。


なにげに、個人的にこの本の肝はここな気がするんだよな。

で、この第一法則を受けて、第二法則に話が移るわけですわな。

資本主義の第二基本法則は

β=s/g

βは資本/所得比率、sは所得率、gは成長率

となるのですな。

で、これは何を意味しているかというと

175ページ
ほとんど停滞した社会では、過去に蓄積された富が、異様なほどの重要性を確実に持つようになる。

って、ことを証明している式なわけですわな。

で、繰り返しになるけれど、この本は「格差、ダメ!ゼッタイ」的なことを説いている本ではなく、経済学の本なわけですわな。

クメール・ルージュマンセーじゃないんだからさ。

ただ、発生してしまう格差はなんとかしなければならない。

そして、その格差解消方法が書かれているのですよ。

それは、まず教育と技能への投資(325ページ)

労働者の質を上げて、賃金をたくさんもらえるようにしましょうって話だな。

で、次は戦争(412ページ)

すべてがガラガラポンされるので、格差どころの騒ぎでなくなる。

世界の経済誌において、格差が採用化されるのって戦争が起きた時なんだよな。

きっちり、それはこの本に書いてある。

なので、「格差、ダメ!ゼッタイ」は戦争賛成派なのかしら?と思ってしまふ。

で、次はインフレ(色んな所で書かれているけれど、472ページには「インフレの主な影響は、資本の平均収益を減らすことではなく、それを再分配することなのだ」という記述あるのでね)。

で、次は累進所得税も含まれるであろう、資本税(514ページ以降のもろもろ)。

金持っているやつから金を奪えば、そりゃ格差はなくなりますね、と。

みんな揃って貧乏になりましょうということに近い気がすんだな。

ちなみに強制的に格差をなくした国がある。

それがソヴィエト連邦。

ソヴィエト連邦が何をやってどうなったかという話も、この本に書かれている(557ページから)。

なもんで、繰り返すのですが

民主党や、社民党など「労働者が国の基本です。でも、その労働者は正社員だけですが、何か。そんな労働者を代表する労組の幹部が資本家な見に報酬をもらっていて何が悪いんですか?( ー`дー´)キリッ」という方々のバイブルになっているらしいですが

どっちも、「ほんとか?」と思ってしまう。

ちなみに本としては非常に面白い本。

そして、この本を読んでいたら

『貧乏人の経済学』



『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』



『善意で貧困は無くせるのか?』



『最底辺のポートフォリオ』


を読みたくなりましたわ。



21世紀の資本


タイトル:21世紀の資本
著者:トマ・ピケティ
発売元:みすず書房
おすすめ度:☆☆☆☆☆(名著だよ)

ハイパーインフレの悪夢

2015年04月24日


著者:アダム・ファーガソン
発売元:新潮社

すごいいい本だわ。

歴史の教科書に必ず出てくる、ドイツのハイパーインフレ。

それがどのように発生し

ドイツ国民にどのような影響を与えたのかということが、よく分かる。

「で、ヒトラーがだてきたんでしょ?」なんて短絡思考じゃダメよ。

最初、インフレはいいものだと迎え入れられていた。

途中まで、インフレはいいものだと迎え入れられていた。

少し変かな?と思っていたけれど、インフレはいいものだと迎え入れられていた。

気がついたら、どーにもこーにもできなくなっていた。

このへんの状況を一言で言い表しているのが317ページ
正しいと信じて行っていたことが、実は自分の身の破滅を招いていたことに、もうどうしようもない状況に陥ってから、ようやく気がつく。

ってやつですな。

あと307ページ
ハイパーインフレの最中には、家族の銀器よりも1キロのじゃがいものほうが、グランドピアノより豚の脇腹肉のほうが一部の人にとっては価値があった。家族の中に売春婦がいるほうが、赤ん坊の亡骸があるよりもよかった。餓死するより盗む方がましだった。名誉より暖房のほうが心地よく、民主主義より衣類のほうが不可欠で、自由よりも食べ物のほうが必要とされていたのだ。


ってフレーズですな。

まさに貧すれば鈍するですわ。

ハイパーインフレになってもいいように、農地を手にしていよう。

しかし、ドイツがどーやってハイパーインフレを克服したのか?それがもう少し細かく描いてあったら嬉しかったわ。

これからはインフレ、大変だ!!って本だけでなく、古今東西、ハイパーインフレに襲われた国家がどのように復活したのか?復活しない間でも、どうやって押さえ込んだのか?を調べていこう。

タイトル;ハイパーインフレの悪夢
著者:アダム・ファーガソン
発売元:新潮社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(おもろい)

人間の条件

2015年03月11日


著者:ハンナ・アレント
発売元:筑摩書房

条件付けられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」のもっとも基本的な要素となる活動力は「労働」、「仕事」、「活動」の三側面から考えることができよう。

本書は全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしたものである。

うーん、わからんぞ。

全体主義は独裁政権から生まれるのではなく、民主的プロセスをおって生まれてくる、その理由が知りたくて読んだのですが、難しいぞ。


人間の条件 (ちくま学芸文庫)



タイトル:人間の条件
著者:ハンナ・アレント
発売元:筑摩書房
おすすめ度:☆☆(頑張ろう自分)

革命家 北一輝

2015年03月03日


著者:豊田穰
発売元:講談社

戦前を代表する思想家。

大川周明とともに、この人間についても調べなければダメでしょ、ってことで読んでみましたわ。

北一輝の生い立ちや、考え方は理解できた気がする。

ただ、もうちっと当時の社会情勢を知らなきゃダメだね。

何しろ新幹線もなければ、ジェット旅客機も無い時代なのに、東アジアがやたらと狭く感じるのよ。

戦前をよく知らなければ、ダメだね。

ヤッパ。


革命家・北一輝 「日本改造法案大綱」と昭和維新 (講談社文庫)



タイトル:革命家 北一輝
著者:豊田穰
発売元:講談社

鄧小平秘録 下巻

2014年12月06日



著者:伊藤正
発売元:産経新聞社

この本、中国だと発売禁止なのな。

で、下巻では毛沢東の死から鄧小平がどうやって中国の最高権力者に上り詰めたのか、がよくわかる記述となってますわ。

四人組を追いやり、華国峰をおいぬき、どうやって十三億の民の頂点になったのか?

そして、中国をどのようのに経済大国に導いたのか?

改革開放で海外資本を導入したってことは有名ですが、毛沢東というか文化大革命により廃止されていた大学入試を復活させたのも鄧小平なのよね。

経済と教育の両方が大事だと鄧小平は知ってたんだよな。あと、ブリッジとサッカーな。


そして何より、ベトナムに攻め込むことに関してアメリカの事前承認をとってたなんてびっくりだわ。


〓小平秘録〈下〉 (文春文庫)


新品価格
¥761から
(2014/9/11 11:54時点)



タイトル:鄧小平秘録 下巻
著者:伊藤正
発売元:産経新聞社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(最高)

鄧小平秘録 上巻

2014年12月05日

著者:伊藤正
発売元:扶桑社

その昔、産経新聞に連載されていたという記事をまとめた1冊。

なんと重厚長大なお話が連載されていたのだ!

と、びっくり。

そのタイトル通り、中華人民共和国、中興の祖、鄧小平の半生について語った本ですわ。

生まれ育ったところから話が始まるのではなく、天安門事件から話が始まるので一気に吸い込まれてしまいますわ。

天安門事件こと、六四事件の裏話がここまでしっかり書かれているとは。

っても、公開情報を組み合わしただけなんだけれどさ。

時代的には共産圏の崩壊がはじまっている時期に起きたことで

人民を守るための人民解放軍が人民を轢き殺すのはいかがなものかという話だけれど

あそこで中国版のペレストロイカが起きていたら、中国は崩壊していたんだろうな、と思ふ。

で、そんな天安門事件のあとに続くのは、南巡講話。

そして、文化大革命。

こうやって話を読み進めると、好好爺として語られる面の多い鄧小平のしんの強さができるまでって言うことがわかりますわ。

何しろ、文化大革命時、すでに六十代後半だったわけよ。

なのに、毛沢東の逆鱗に触れて中央から飛ばされるのよ。

中央でも、地方でも、経済的に疲弊している中華の民の苛酷さを知ってしまうわけですよ。

そうなると、人権だなんだかんだというよりも、まず、腹をいっぱいに擦るってことが重要だろうってなるわね。

うん。

下巻が楽しみだわ。


〓小平秘録〈上〉 (文春文庫)


新品価格
¥761から
(2014/9/11 11:53時点)



タイトル:鄧小平秘録 上巻
著者:伊藤正
発売元:扶桑社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(すごくおもしろい)

サンデルの政治学哲学

2012年09月20日


著者:小林正弥
発売元:平凡社

最近話題のサンデル教授について詳しく知りたいということで、政治哲学、公共哲学、比較政治が専門でサンデル教授自身と親交のある著者のサンデル解説本というか、サンデル教授の基本概念である「正義」についてという内容。

これがなかなかムツカシイというか、アメリカの政治史の基礎的な考えがないと難しいんでないのか、と。

そのへんのお話と共に勉強したいのですが、もっと本を読んでみようと思えてくるわけですよ。

そんなわけで

『リベラリズムの正義と限界』

リベラリズムと正義の限界

新品価格
¥4,200から
(2012/5/15 07:59時点)




『リベラリズムとその批判者たち』

を読みたくなりましたな。


サンデルの政治哲学-<正義>とは何か (平凡社新書)

新品価格
¥987から
(2012/5/15 07:58時点)




サンデルの政治哲学-<正義>とは何か (平凡社新書)

タイトル:サンデルの政治学哲学
著者:小林正弥
発売元:平凡社
おすすめ度:☆☆(頑張れ自分)

競争と公平感

2012年09月08日


著者:大竹文雄
発売元:中央公論新社

日本が世界で一番成功した社会主義国であるということが、よくわかるほんですね。

日本人の競争嫌いの原因を島国であることに求めていない説、満載です。

びっくりします。

いや、マジで。

例えば、3ページ


このように計画的にみえるのに、うまくいかないのは計画の期間が間違っているからだ。人生はその日一日で終わるわけではない。ついている時もあれば、ついていない時もある。長期的にみれば、ついている時に頑張って、ついていない時には他のことをしたほうが得なのだ。計画をもっと長期の観点で立てて、日々の計画は長期の利益を最大にするように行動すればいい。でも、実際には長期の計画を立てただけでは、それをうまく実行できないことが多い。そのため、短期の計画も同時に立てて、それをチェックしていくことで、長期計画を達成しようとしてしまう人はどうしても短期計画に縛られるのだ。


心が痛いですねw

すぐにわかる、目先のゴールにばかり集中して、無駄を積み重ね、どこにも辿り着けないってこと・・・

たくさん経験してきました。

で、18ページ


カリフォルニア大学ロサンゼルス校のギウリアーノ教授と、IMFのスピリンバーゴ氏の研究が参考になる。彼らはアメリカのデータを使って、若い頃の不況経験が価値観に影響を与えるということを実証的に明らかにしている。具体的には18歳から25歳の頃、つまり高校や大学を卒業してしばらくの間に不況を経験するかどうかが、その世代の価値観に大きな影響を与えるというのだ。この年齢層の頃に不況を経験した人は「人生の成功は努力よりも運による」と思い、「政府による再分配を指示する」が「公的な機関に対する信頼は持たない」という傾向があるそうだ。この価値観は、その後、年をとってもあまり変わらないということも記されてる。


へぇぇぇぇえぇぇ!

でも、そんな気がするわ。

草食系男子って言われる人は、ズバリこの世代にハマるしね。

そうじゃない人も確かにいますが、そうじゃない人が目立つのは、草食系男子がメインストリームだからでさ

逆がメインストリームだったら目立たんでしょ。

で、21ページ


規制を強化すると規制で守られた人のなかでの格差が小さくなり、そのなかでの運不運の要素は小さくなるが、規制の枠に入れなかった人たちとの格差は拡大する。規制の枠に入れるかどうか、という運不運の要素が大きくなっているのである。


おおおお!

まさにそのとおり。

いまだと、新卒で就職できたか否か、か?

まぁ、このゲームのルールも変わりつつあるけれどね。

あと、57ページ


「ウィキノミクス」という手がある。「ウィキノミクス」とはデータを公開することで、研究開発費を削減することができるという考え方だ。


あと、72ページ


しかし、教科書を読んだ生徒たちは、市場は失敗するし、独占はとにかく悪いということだけを理解するはずだ。多くの問題はあっても、競争によって得るメリットはい大きいという共通の認識を私たちがもつような教え方をするべきではないだろうか。これは特定の教科書の書き方がそうなっているのではなく、すべての教科書に共通の問題である。なぜ、そうなのかというと、学習指導要領では市場競争のメリットを教えるように書かれていないからである。


あれですよね。

そんな学習指導要綱を決める官僚や、政治家たちの多くは、東大の出身者が多いわけで

で、東大の経済学って日本風のマルクス経済学だったりするわけですから、ベースが

そりゃ、そうなりますよね。

これがケインズではなく、ハイエクだったら、多分真逆だ。

それくらい教育は重要。

だから、ある程度大きくなったら、教えてもらいつつ、教えてもらっていることに反論しなから理解しないとダメってことですね。

で、74ページ


また、市場経済が成り立つためには価格、数量、取引日などについて契約したことを私たちがきちんと守ることが不可欠であることを教える必要があるはずだ。約束の時間を守ること、借りたものは返さなければならないこと、といった私たち現在の日本人にとって当たり前のルールは、市場経済が機能するために必要なものである。そうした社会規範の成立は市場経済の発展と密接に関係しているのである。


ですよねぇ。

でも、最近の日本人は約束を守らないような気が・・・

特に政治家が・・・

だから、市場経済がうまく機能しなくなってしまっているのですね。

で、110ページ


遠い将来の時間あたりの割引率が、近い将来の時間あたりの割引率より低下するような特性を持つ時間割引率は「双曲割引」と呼ばれている。このような双曲割引型の時間割引選好を前提にすると、宿題を先延ばしにして後悔することや、カード破産してしまうという事実を説明することができるのである。


とか

187ページにある


創意工夫が重要な仕事になればなるほど、労働時間による管理は向かなくなる。技術革新のために、仕事の多くがそい工夫やアイディアに依存するようになり、生産性の個人差、個人の中での時間変動が大きくなってきた。


とか

226ページにある


人間はきちんと学習しないと、合理的な経済的意思決定ができない可能性が高い。


とかね。

ほんと、勉強せなアカンですよ。

で、自分の頭で考えるようにしないと。

そして、考えたことをプレゼンできる、アウトプットできる訓練をしないとね。

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

新品価格
¥819から
(2012/5/7 08:04時点)




競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)


タイトル:競争と公平感
著者:大竹文雄
発売元:中央公論新社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(最高)

 | HOME | 次のページ »