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銃後のアメリカ人:1941〜1945

2018年03月13日


著者:リチャード・リンゲマン
発行元:悠書店

平均的な日本人の脳みそを揺すってくれる名著ですな。
太平洋戦争中の日本は、どんな生活をしていたのか?なんて、本は山のようにあるけれど、その逆、太平洋戦争中のアメリカではどんな生活が送られていたのか?なんて本は少ない。

本書は、数少ない、そんな本。

アメリカは今も昔も、世界一の経済力と工業力を持っていた。そりゃ、そんな国とガチで戦争すると、負けますよね、と。
でも、戦前の日本も、ソコソコの大国だったのよ。まぁ、アメリカと比較にならないくらい小さく、弱かったけどね。

でも、アメリカが戦ったのは日本だけじゃない。ドイツとも、イタリアとも戦ったのよ。

そりゃ、日本も世界中を敵に回して戦ったけどね。でもね、戦場は東南アジアと、太平洋。しかし、アメリカは南アフリカと南アジア以外を戦場として戦ったのよ。

サスガのアメリカも、全国力を投入しないと、戦争を遂行することができなかった。そのために、どのような犠牲を国民に強いたのか?どんな分野でどんなことをおこなったのか?が、しっかりと書かれている。

アメリカの生産力の凄さがよく語られているけど、アメリカだって、マッハのスピードで大量生産の仕組みを立ち上げたのよ。

そりゃ、無理が祟るわけよ。



銃後のアメリカ人:1941~1945 ―パールハーバーから原爆投下まで―

タイトル:銃後のアメリカ人:1941〜1945
著者:リチャード・リンゲマン
発行元:悠書店
オススメ度:☆☆☆☆(面白い!)
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日本のスパイ王

2018年02月13日

著者:斎藤充功
発行元:学研プラス

サブタイトルは「陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実」ですね。

日本軍のスパイ養成学校であった、陸軍中野の学校の創設者。
それだけでドキドキの内容ですね。
ちなみに、当時はスパイとは言わずに、特務機関と呼んでいました。

で、中野学校を立ち上げたということだけでもびっくりなのに、ヨーロッパで諜報活動をおこなったりしているし、ハルビンでも特務機関を率いていた。

名前は知られていても、実際に何をしていたのか?の記録などは残っているはずもない(スパイだからね)人物の実像を様々な方向から明らかにしていく。

個人的にはお人好しとしか思えないのですが、ソ連が攻め込んでくるはずはないと思っていた日本には、ウヨウヨとソ連のスパイがいた、と。そんなスパイはハルビンにも送り込まれ、秋草が囲っていたソ連へのスパイが、実はソ連からの二重スパイだったりしたりという、すげー話まで書かれている。

ソビエト軍の満州進行に伴い、軍事捕虜となった秋草。
シベリア各地の収容所をたらい回され、命を落としてしまった。

完全に歴史の闇に葬り去られてしまったはずの人間、まさに日本のスパイ王の実像を描いている本書はすごい。




日本のスパイ王: 陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実


タイトル:日本のスパイ王
著者:斎藤充功
発行元:学研プラス
おすすめ度:☆☆☆☆(事実は小説より奇なりですな)

戦前日本の「グローバリズム」

2017年12月07日


著者:井上寿一
発売元:新潮社

サブタイトルは「1930年代の教訓」。
これだけ見ると、日本的リベラルな方々が「グンクツのアシオトガー」と騒ぎ出しそうですが、内容は大きく異なります。

この本には1930年代に日本が、目指していた外交と、世界が目指していた外交がしっかりと書かれています。

そして、政治や、官僚の暴走が日本を戦争に導いたのではないということもわかります。

1930年代の日本は通商自由の原則を掲げて、世界規模で経済外交を展開していた、と。地球の反対側にあるブラジルに日本人移民が多いのは、新たな土地に夢見た人が多かったからなだけではない。ブラジルにまでしっかりと貿易しにいっていたからである、と。南アフリカにも、カナダにも、日本は経済外交を仕掛けていた。

そして、満州にはアメリカ資本を呼び込もうとしていた、と。

で、そんな日本に対して、アメリカも、イギリスも、当初はそれほど大きな敵対心を抱いていなかった、と。そもそも、第一次世界大戦の時はブルーチームだったし、イギリスと同盟していたくらいだからね。

じゃあ、なんで最大の貿易相手国であったアメリカと戦争始めるに至ったかというと、そこは経済格差と国民の不満ですよ、と。

今以上の自由貿易をおこなっていた1930年代。今だって自由経済を推し進めると格差は拡大するのに、当時はセーフティネットゼロの状態で、自由経済をおしすすめた。

そりゃあ、格差は広がりますね。そして、世界恐慌。経済と国民の格差を埋めるために、各国が取った手段が計画経済。特にドイツはナチスが政権を取ってから、計画経済を一気に推し進め、国力を回復させて行った。

そういうドイツに共感した日本の政治家や、官僚がたくさんいた、ということですな。その中にはルーピーのご先祖様もおりました、と。

財閥と大企業だけが潤う自由経済と、格差を解消してくれそうな計画経済。日常の不満は軍隊が引き受けてくれて、軍隊にはいれば、自ら新たな国土を奪い取ることができる。

そりゃあ、不満にあふれる国民が支持するのは後者ですよ、と。
そんな国民の不満を煽り、「格差を是正するには、戦線拡大しかない!」とマスメディア騒ぎ立てる。

よくよく調べれば、英米以上に有色人種を見下しているドイツやイタリアと同盟して、自身にとって最大の貿易相手国であるアメリカと戦争をするなんて、ものすごく馬鹿なこと、とわかるのだけれどね。

こういながれが、今の日本とよく似ていると著者は語るわけですよ。

ものすごく良い本ですね。




戦前日本の「グローバリズム」 一九三〇年代の教訓 (新潮選書)

タイトル:戦前日本の「グローバリズム」
著者:井上寿一
発売元:新潮社
オススメ度:☆☆☆☆☆(すてきですな)

世界史を創ったビジネスモデル

2017年11月28日


著者:野口悠紀雄
発売元:新潮社

これは素敵な本ですな。
古代ローマの時代から、現代まで。大きく世の中の流れを変えた出来事が、ビジネスモデルとして紹介されている。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶというけれど、まさにその通り。きっちり、歴史を学べば失敗する確率が大きく下がる。

ちなみに、日本を統治したアメリカが学んでいたのは古代ローマなんですとな。まぁ、古代ローマといっても、ものすごく歴史はあるので、その中でもパクスローマ時代。

戦争の時代が終わり、平和な時代で統治をするには圧政ではない。寛容の精神で占領地を統治し、自由な経済活動と経済競争を認め、占領地からの収益は貿易という経済活動で獲得する。

この統治方法が成功したから、ローマはヨーロッパ外にまで領土を広げながら、平和な統治が出来た。アメリカも日本に対しては同様の統治をしたから、日本はアメリカを恨んでいない。日本は台湾に対して同様の統治を行っていたので、台湾は日本を韓国のように恨んでいない。

なるほど。

ちなみに、寛容さと、多様性と、自由がなくなったから、ローマ帝国は滅びの階段を落ちていったのだと。

このような古代史のへ~も良いのですが、歴史的な失敗の話も面白いすな。

電話の重要性を見抜けなかったウエスタンユニオン、インターネットの革新性を見抜けなかったAT&T、クライアントPCや、OSを拡販するときの勘所を間違えたIBM、垂直統合にこだわり続けて失敗したパナソニックなどの日本企業。

歴史はダイナミックに動き、勝者が敗者に、チャレンジャーが業界の覇者になることがフツーだとよくわかりますな。

やはり、歴史を学ばないとだめだな。



世界史を創ったビジネスモデル (新潮選書)



タイトル:世界史を創ったビジネスモデル
著者:野口悠紀雄
発売元:新潮社
オススメ度:☆☆☆☆☆(名著。歴史を学びたくなる!)

ダイジェスト版 オリバー・ストーンのアメリカ史講義

2017年11月09日


著者:オリバー・ストーン&ピーター・カズニック
発売元:早川書房

映画監督と歴史家が、書き下ろしたアメリカの近現代史。

学校の授業では習うことのない話が満載でありますな。
アメリカがどのように富を貯え、世界をどのように欺いていったのか、という話ばかり。

オリバー・ストーンの主義主張がしっかりと込められている文章なのだけれど、それはそれで、ということで面白い。

ある意味、司馬遼太郎の歴史小説みたいなものか。

まぁ。こっちは、真実ばかりだけれど。

民主党にも共和党にも、資本主義にも共産主義にも、帝国主義にもファシズムにも、全方位に喧嘩を売っているスタンス。

とりあえず、戦争は絶対反対という立ち位置。これは、オリバー・ストーンがベトナム戦争に参戦して、負傷した経験があるからなんだろうな、と。

そりゃあ、アメリカも世界の政治の裏舞台で暗躍していたでしょうか、それはソビエトも、中国もおなじなわけで。

イロイロと考えさせられて、引き込まれる内容でしたな。ダイジェスト版ではなく、本編を読みたくなりましたな。




〔ダイジェスト版〕オリバー・ストーンの「アメリカ史」講義


タイトル:
ダイジェスト版 オリバー・ストーンのアメリカ史講義

著者:オリバー・ストーン&ピーター・カズニック
発売元:早川書房
オススメ度:☆☆☆☆☆(超面白い)

カラシニコフ銃 AK47の歴史

2017年10月14日
著者:マイケル・ホッジス
発売元:河出書房新社

サブタイトルは、「世界で最も愛された民衆の武器」ですな。
そんなわけでしてAK47の歴史や特徴にスポットライトを当てるのではなく、「世界中でどのように使われてきたのか?」にスポットを当てる。

ドイツ軍のカービン自動小銃に対抗するために生まれたAK47はソビエトをナチスから守っただけでなく、ベトナムをアメリカから開放した。

その後はテロリストの手頃な武器として、西側諸国や、アメリカを苦しめた。

もちろん、世界最大の銃大国であるアメリカでもAKは購入可能。しかし、M16や、ドイツのH&Kのサブマシンガンなどと比べると、いまいちめじゃーではない。

でも、それはアメリカだけの話。

世界中のテロリストにとって、この70年も前に基本設計がなされた銃がメジャーなのよね、と。



カラシニコフ銃 AK47の歴史

タイトル:カラシニコフ銃 AK47の歴史
著者:マイケル・ホッジス
発売元:河出書房新社
オススメ度:☆☆☆(オモロイね)

日本駆逐艦物語

2017年09月01日


著者:福井静夫
発売元:光人社

日本における駆逐艦の歴史を紐解いた一冊。
専守防衛な第二次大戦後には、こんな攻撃に特化した船舶なんて、日本にはないけどな。いや、名前だけな。

ちなみに 駆逐艦とは、こういう意味。

もともとの名前を水雷艇駆逐艦(torpedo-boat destroyer)と呼び、水雷艇(torpedo-boat)を駆逐する艦種だった。第二次世界大戦までは魚雷を主兵装とし、駆逐艦隊は別名水雷戦隊と呼ばれていた。出現当初から第二次大戦のころまでは、軽巡洋艦より小型だが砲艦より大型で、航洋性を有しており、軽装甲であるが高速で汎用性が高いといった位置付けだった。

20世紀後半から現代にあっては、戦艦や巡洋艦といった、駆逐艦より大型の艦が過去のものとなった、あるいはなりつつある。その一方でフリゲートやコルベットといったより小型の艦が存在感を増している。駆逐艦自身も大型化し、現代海軍では航空母艦や揚陸艦に次ぐ大型の軍艦となりつつある。


まったく、今の日本じゃ、教えてはくれないけれど、戦前の日本は世界有数の軍事大国で、そりゃ、最初はイギリス海軍のコピーだったかもしれないけれど、気がつくと駆逐艦をフランスや、イタリアに輸出していた(というか、そこの国に向けて生産していた)という事実もあるのよね。

そんなことまで、わかる本ですね。



日本駆逐艦物語 (福井静夫著作集―軍艦七十五年回想記)

タイトル:日本駆逐艦物語
著者:福井静夫
発売元:光人社
おすすめ度:☆☆(もはや、教科書ですな)

キリシタン大名

2017年06月17日
著者:岡田章雄
発売元:吉川弘文館

悲劇の代名詞的に語られることの多い、キリシタンや、キリシタン大名。

でも、神様の下では平等なはずのキリスト教の教えを、農民や町人を支配していた大名がどうやって広めたのでしょうか?

という中学生の素朴な疑問から始まる本書。無駄に弾圧ばかり描かれることもなければ、鎖国政策を美化するような話が描かれているわけでもない。

16世紀ヨーロッパにおけるキリスト教の力関係とヨーロッパ各国の力関係がしっかり説明され、そして、日本国内の状況も説明されてるのがよいですわ。

そして、やはり、「男色を認めないオタクの神様、ダメなんじゃね?そこは認めた方が流行るよ」という話をしたんだな、大内義隆が。

不幸のバロメーターと呼ばれているキリスト教が、日本で広まらなかったのは、日本人がそれほど不幸じゃなかったというのもあるのでしょうが、日本各国、特に西日本の統治者が、自国領地を豊かにするために、ヨーロッパを利用してたからなのだろうね、と思うわけよ。

織田も、豊富も、徳川も。毛利も、島津も、大友も、北条も、伊達も。自国領地が豊かになるために、ライバルを蹴落とすために、ヨーロッパ諸国や、キリスト教を利用した。

高山右近のように、心からイエスに信仰を寄せていた大名や、武将もいたのでしょうが、それは少数派であった、と。




キリシタン大名 (教育社歴史新書 日本史 86)


タイトル:キリシタン大名
著者:岡田章雄
発売元:吉川弘文館
おすすめ度:☆☆☆(良い本ですな)

ベストセラーの世界史

2017年06月15日


著者:フレデリック・ルヴィロウ
発売元:太田出版

世界各国のベストセラーの話がぎっしりと詰まった本なのですわな。

まぁ、ベストセラーNo1は聖書で次は毛沢東の書籍だったりするんだけれどな。

文化を凝縮したものが本であり、ベストセラーであるということがわかる。




ベストセラーの世界史 (ヒストリカル・スタディーズ)


タイトル:ベストセラーの世界史
著者:フレデリック・ルヴィロウ
発売元:太田出版
おすすめ度:☆☆(ふむ。。。)

銀座と資生堂

2016年10月19日

著者:戸矢理衣奈
発売元:新潮社

サブタイトルは"日本を「モダーン」にした会社"ですわ。日本最大の化粧品会社にして、銀座を代表する企業。なにしろ、銀座のどまんなかで今も昔も、化粧品だけでなく、ファッションや文化自体を発信し続けている会社なのですから。

そんな資生堂の歴史をわかりやすく紹介してくれた1冊ですな。

銀座にパーラーもあり、ギャラリーもある資生堂ですが、創業から50年くらいは「新橋資生堂」と名乗っていたんですってな。これは知らなくて、ちょっとびっくりしたのですけれど、日本の近代史を横においてみれば、なるほどなっとくなのですよ。だって、日本ではじめて鉄道が敷設されたのは新橋・横浜間なわけでして、今は東京駅が玄関口で、新橋はオヤジの街の代名詞だけれど、明治初期はそうじゃなかった。新橋が鉄道の玄関口だったわけですわ。

だからの「東京新橋資生堂」だった、と。

しかし、資生堂初代社長の福原信三は、この「東京新橋資生堂」というイメイージを「東京銀座資生堂」に変えていった、と。

なぜ、変えていったのか?

東京の中心地が新橋・汐留から東京・銀座に移ったから。

一言でまとめてしまうと物凄くシンプルだけれど、明治・大正・昭和の時代の流れに合わせた大変革だったわけですよ。ある程度、国のイメージや、都市のイメージが確立していた時代でいでもなかったわけですし、森ビルや、三菱地所のようなDeveloperもいなかったわけで、文字通り、手探りで、「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」というじだいから、列強各国とやりあうまでに育っていったわけですよ。

そんなある意味、国策とも言える、まちづくりに資生堂は沿ってきた、と。

パーラーも、ギャラリーも、云うてしまえば、化粧品も、そんな時代の流れにそって生まれ、育ってきたのだということがよく分かる本ですわな。江戸時代的な価値観で、女性が外出して、おしゃれを楽しむ、着飾って観劇を楽しむって文化が生まれなければ、資生堂が販売するような化粧品はそもそも必要なかったりするわけでさ。

文化の香りをさせる化粧品会社なわけですけれど、黙っていたら文化の香りがするようになったわけじゃない、ということがよく分かる本ですわ。

いろいろと考えさせられる本なわけですわな。




銀座と資生堂―日本を「モダーン」にした会社―(新潮選書)

タイトル:銀座と資生堂
著者:戸矢理衣奈
発売元:新潮社
おすすめ度:☆☆☆(化粧品好きだけでなく、銀座好きにもおすすめできる1冊)

イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑

2016年09月30日

文:宮澤優
絵:平野恵理子
発売元:原書房

平成になってもうすぐ30年なわけですが、そんな平成の世では忘れ去られてしまったような仕事が色々と解説されております。

が、昭和といっても、高度経済成長が始まるまでの時代の仕事が多いようで、「三丁目の夕日」や、「男はつらいよ」的な時代の話が満載でございます。

なんて、書いていますが、赤帽(宅配便ではなく、国鉄の主要駅で乗降客の手荷物を運ぶ人のこと)は上野駅では平成12年まで、東京駅では平成13年まで、岡山駅では平成19年まであったそうな。

このポーターさんこと、赤帽さん、日本へのインバウンド旅行者が増えた今の時代にはピッタリな仕事だと思うのですけれど、ね。

あと、「喜びも悲しみも幾歳月」のモデルとなった灯台守こと灯台職員も平成18年まで存在していたのだとな。

ちなみに灯台守がいた最後の灯台は長崎県女島灯台なんたとな。

クイズにでそうな話ですな。




イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑
タイトル:イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑
文:宮澤優
絵:平野恵理子
発売元:原書房
おすすめ度:☆☆(ある意味、日本の近現代ですな)

森鴎外の帝都地図 隠された地下網の秘密

2016年07月16日

著者:秋庭俊
発売元:洋泉社

実に面白い本。

東京の地下には謎が隠されている。その謎を森鴎外が残した地図をもとに解き明かそうと言う本。

まず、正確な地図はすぐ簡単に絵に入る。そんな前提条件をは捨てた方がよいね。そんなに簡単に手に入らないのよ。重要な軍事情報だからね。だから、Googleはすごい。

なんて話をハサミながら、森鴎外の地図のもとになった、そもそもの江戸の町を誰が作ったのか?というところまで、話は遡る。

太田道灌が町を開いて、今の江戸を作ったのは徳川家康でしょということになるのだけれど、江戸の町割りはだれが考え、日比谷の入江を埋めさせたのは誰なのか?というところに話が及びますル。

この本では、それを三浦按針と、ヤン・ヨーステンであるとしているのですな。オランダ流の築城方法に良くにているとな。

基本は埋め立て地であり、地下であり、水道である、と。巨大な地下通路が江戸の町に張り巡らされていた、と。巨大な地下空間があったから、あっという間に地下鉄だってできちゃうのさ、と。

そんなリアルと空想がいい塩梅にまとめられた一冊。



森鴎外の「帝都地図」 隠された地下網の秘密


タイトル:森鴎外の帝都地図 隠された地下網の秘密
著者:秋庭俊
発売元:洋泉社
おすすめ度:⭐⭐⭐(面白い)

マッカーサーと日本占領

2016年07月12日

著者:半藤一利
発売元:PHP


日本の昭和史を語らせたら右に出るものがいない半藤一利の本。

今回はマッカーサー元帥の日本統治にスポットを当てました、と。

マッカーサーと昭和天皇が並んで写っているあの有名な写真、実はスリーテイク目の写真だったのね。

半藤一利的には日本国憲法とマッカーサーの思い(マッカーサーは日本を太平洋のスイスにしたかったのだと)を重ね合わせて伝えたかったのでしょうが、私はマッカーサーの歴史というか、成り立ちというか、生い立ちに興味が引かれましたな。

アメリカ南部出身の裕福な軍人の息子がマッカーサー。マッカーサーの部下がトルーマンだったのな。



マッカーサーと日本占領


タイトル:マッカーサーと日本占領
著者:半藤一利
発売元:PHP
おすすめ度:⭐⭐(うむ。。)

東京今昔物語

2016年06月10日
著者:東京都不動産鑑定士協会
発売元:実業之日本社

この本、素晴らしい。東京の歴史というか、都市計画がよくわかるのですよ。

それそれの街にゆかりのある企業が、自社の歴史を踏まえて、街の歴史を語っているのが良い。自社の歴史=街の歴史をなので、自分マンセーになっていないのがよい。

登場というか、紹介されているのは

銀座と資生堂の歩み
丸の内の街と三菱地所の歩み
日比谷の街と帝国ホテルの歩み
恵比寿の街とサッポロビールの歩み
田園調布と東京急行電鉄の歩み
新宿の街と中村屋の歩み
超高層ビルと三井不動産の歩み
明治神宮外苑と明治記念館の歩み
日比谷公園と松本楼
国立学園都市開発と西武グループの歩み
虎ノ門神谷町界隈とホテルオークラ東京の歩み
赤坂界隈と虎屋の歩み
浅草橋界隈と吉徳
葛飾とタカラトミー
「都市をつくり、都市を育む」森ビルの歩み
石川島、豊洲とIHI
京橋と味の素社の歩み
浅草界隈とマルベル堂の歩み

やっぱ、街が会社をつくり、会社が街を作るんだな。

ちなみに、明治五年に銀座の街が整備される時には、ちゃんと道路計画がたてられていたんだよ。

煉瓦街の建築計画では、面する道路の広さにあわせて家屋も3等級に分けていた。一等家屋は十五間(27メートル)幅道路に面した2階建てで、二等家屋は八間(14.5メートル)幅道路に面した2階建てで、三等家屋は三間(5.5メートル)道路に面した平屋建てとし、それぞれ長屋型の連携屋形式とされた。

もうさ、21世紀になっているのに、クルマ一台分の幅もない道路に面した家に住んでいるて、どうなの?とおもう。

個人的に都心や、街中には全く住みたくない(山手線の内側に6年住んだ結論)のですが、じゃあ、どんな田園都市が良いのかと言うと、日本ではじめて田園都市開発を行った東急は、田園都市の定義を以下のようにしている。

1 土地高燥にて大気清純なること
2 地質良好にして樹木多きこと
3 面積少なくとも十万坪をゆうすること
4 一時間以内に都心の中心地に到着し得すべき交通機関を有すること
5 電信、電話、電灯、瓦斯、水道等をの完整させること
6 病院、学校、娯楽部等の設備あること
7 消費組合の如き社会的施設も有すること
8


なんだと。

やっぱ、ゴミゴミした街じゃダメなんだよな。

ちなみに、日比谷公園はその計画の段階から「やっぱ、都心にも緑溢れる公園が無いと環境悪くなっちゃうよね」という考えが含まれていたそうな。

もう、ダメダメだな。戦後の日本。ゆとりある街作りがなされていれば、今発生している問題の多くは解決できているのにな。



東京今昔物語


タイトル: 東京今昔物語
著者:東京都不動産鑑定士協会
発売元:実業之日本社
おすすめ度:⭐⭐⭐⭐(良い本です)

ロックフェラー家と日本

2016年05月26日

著者:加藤幹雄
発売元:岩波書店

アメリカのビリオネアで、名門一族であるロックフェラー家と日本の関係を、淡々と綴った1冊。

個人的にはロックフェラー家と日本の著名人(昭和天皇や豊田章男社長を含む)の関係性よりも、ロックフェラー家、そのものの歴史が非常に面白かった。

陰謀厨な方々にとって、ロックフェラー家と言ったら、ネオコンと安倍晋三とともに世界を操るユダヤ資本にくくられてしまいそうですが、ロックフェラー家ってドイツ系なのね。もともとの名前はロッゲンフェルダー。ドイツのライン地方に住んでいたらしいのですが、もっと遡るとフランスのロクフイユ一族までたどり着くんだってな。カトリックではなく、プロテスタントのユグノー一派で、フランス→ドイツ→アメリカと移住してきたんだとな。

そして、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神を地で行くような教育方針がロックフェラー家にはあるんだとな。

そんなロックフェラー家の精神が受け継がれている国際基督教大学に行けばよかった。。。と、この本を読んだら思いましたな。偏差値28のFラン・ミッション系大学などではなく。



ロックフェラー家と日本――日米交流をつむいだ人々


タイトル:ロックフェラー家と日本
著者:加藤幹雄
発売元:岩波書店
おすすめ度:☆☆(ある意味世界史の教科書ですな)
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