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運命の子 トリソミー短命という定めの男の子を授かった家族の物語

2016年03月25日

著者:松永正訓
発売元:小学館

『コウノドリ』の影響や、「うちの子どもが障害を持って生まれてきたらどうしよう・・・」とか、そんな不純な理由で手をとって見なのですけれど、読んだら、泣いた。ものすごいいい本だ。命の大切さとというか、子どもが生まれて育っていくということは奇跡以外の何物でもないということがよく分かる1冊。

著者の松永正訓さんは千葉県内で小児科の個人クリニックを開いているお医者さん。もとは大学病院の先生。小児外科医。多くの小児外科では遺伝子異常がある赤ちゃんで21トリソミー、いわゆるダウン症の赤ちゃん以外は、積極的な延命処理をしないという事実にびっくり。そして、この先生も、それが普通だと思っていたり、しょうがないと思っていたりしていたという。

かなりびっくりしたけれど、逆方向から考えると「まぁ、そうだよね」と思ってしまったりもする。だって、小児科の先生は、毎日何人もの小児科を見ているわけだ。自分の子供は1人しか、多くたって数人しかいないけれど、小児科の先生は違うわけで。分母が大きいのだから確率的に誕生が低いという障害や、奇形を持った赤ちゃんにだって、当然のように出会うわけで。

そんな残酷な現実を知りつつ、驚きつつも、数は少ないけれど18トリソミー、13トリソミーの赤ちゃんであっても手術をする病院もあるということを知ってホッとしたり。

でも、普通の赤ちゃんよりも圧倒的に短い寿命だったりするわけで、それを受け入れることができる親もいれば、そうでもない親もいる。そりゃそうだ、と納得することもある。そして、障害を持って生まれた子どものお母さんが「私は出生前診断をしなかったけれど、今度もしないけれど、するという人を否定出来ない」という発言が意味するように、これは複雑な話だったりするわけで。

ものすごく考えさせられることが、多い1冊。

障害者施設で働いている障害者の人で、生まれつきに障害を持った人の割合っていうのはそれほどではなくて、後天的に障害を持った方の人が多いということにも驚いた。

子どもって生まれてくることも奇跡だし、元気に育つことも奇跡なんだよなぁ・・・ということが痛烈にわかる1冊です。ほんと、自分の子供と奥さんに、心から「ありがとう」と思えるようになる1冊。

そして、お医者さんというのはものすごく過酷な仕事なんだなぁということがわかる本。自分がお医者さんだったら、心が折れてしまうよなぁ・・・ほんとうにお医者さんにもありがとうと言いたくなります。



運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語


タイトル:運命の子 トリソミー短命という定めの男の子を授かった家族の物語
著者:松永正訓
発売元:小学館
おすすめ度:☆☆☆☆☆(性別関係なく読みべきですわ)
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